2007年の英ロンドンで、Aiden Whalley(synths)とJames Young(beats and bass)のエレクトロ・ユニットとして始動したDarkstar。若手ながら、名門レーベル“Hyperdub”からシングル「Aidy’s Girl Is A Computer」を発表し、アンダーグラウンド・シーンに新たな風を吹き込んだふたりは、James Buttery(vocal)を迎えることで音楽性の幅を広げ、10年に1stアルバム『North』、13年に2ndアルバム『News From Nowhere』をリリース。ここ日本でも着実に勢力を増して、自由なイマジネーションをほとばしらせています。2度の来日を果たしたメンバーに、バンドについて語ってもらいました!

Artist:James Young、Aiden Whalley from Darkstar
Interviewer:Mio Yamada

――まずは、Darkstarのバンドとして動き出した経緯についてお聞かせください。

James Young:(英ラジオ番組“BCC Radio 6 Music”で知られる)ラジオDJのMary Anne Hobbsが、『Wild Angels』っていうコンピレーション・アルバムをつくっていて、僕たちはそのアルバムのために、Radiohead「Videotape」のカヴァーをレコーディングしていていたんだよね。それを聴いたJames (Buttery)から、ヴォーカルをやりたいっていうオファーがあったんだよ。

Aiden Whalley:Jamesが歌ったら、うまくいったんだよね。イースト・ロンドンで3人で暮らしながら、曲を一緒に書いてセッションして、形になっていったんだ。

――楽曲制作の面で、2人から3人になってどのようなところが変化したのでしょうか?

Young:もちろんある。3人だと、2人とは違ったダイナミックさやいろいろなクリエイティビティが出てくるし、バランスもとらないといけない。3人全員がアルバムに対して満足することが大切なんだけど、すごく厳しい判断をするから、時間がかかるんだよね。どのパートでも、ひとつひとつのプロセスを何度も重ねるんだ。

――もともとあった曲にヴォーカルをのせていった『North』に対して、3人で形にした最初の作品である新作『News From Nowhere』は、ヴォーカルとサウンドの融合度が増していますよね。

Young:今回のアルバムは、最初から3人で作ったということが大きいね。最初からJamesがいたから、ヴォーカルを入れることを前提に曲を作っていたし、Jamesのクリエイティビティが加わったことも大きい。

――作品のコンセプト、世界観で変わったことはありますか?

Young:そうだね、今回のアルバムはすごく明るいものしたかったんだ。前のアルバムはメランコリーだったんだけど、新作はリズムにあふれていて楽しいね。

――なぜ、そういった変化があったのでしょうか?

Young:環境が変わったことが影響しているかな。ロンドンからウエスト・ヨークシャーという郊外に引っ越して、18カ月くらい暮らしていたんだけど、そこのムードがオプティミスティックなものを引き出したんだと思う。インタビューで「どんな曲を聴いているのか、音楽に影響するのか」って聞かれるんだけど、聴いている音楽は関係なくて、環境が一番影響するね。

Whalley:前作はすごくマイナーな音が多かったんだけど、今回は音楽的にたくさんのリズムやいろいろな音の動きを作ったんだ。前回と同じことをしたくなくて、音楽的に新しいことをやりたかったんだよね。

Young:僕たちは、ひとりずつ別々にトラックをつくっていくんだよ。それで3人の意見が一致したらやる。ひとりでも気に入らなければ、その曲はやらないんだよね。

――では、今回のアルバムも個別につくった曲を持ち寄ったんですね。テーマやコンセプトを共有した上で、そこに向かって個人個人で制作を進めたのでしょうか?

Young:レーベルとの契約があるから(笑)、“アルバム”という形を描いて曲をつくった感じかな。一応コンセプトはあったんだけど、すごいラフなものだね。ちゃんとした決まった形はないよ。強いて言うなら、曲と曲がつながるようにしていったということかな。それも8~9カ月かかったんだけどね。

――サウンド面では、Darkstarはダンスミュージックでありながら、ダブステップなどひとつのジャンルでくくることができない多彩な楽曲が多いですよね。

Young:カテゴライズされないサウンドが1番いいと思ってるんだ。

Whalley:あえて言うなら、エレクトロミュージックかな。でも、僕たちは生の楽器をすごく使うし、クリエイティブにやるためにジャンルは必要ないと思う。どんなジャンルかっていうことは、僕たちにとっては重要じゃないんだよ。テクノから、清水靖晃(サキソフォン奏者)とか日本のクラシックまで聴くよ。日本の琴や鉄筋、木琴みたいな楽器のパーカッションも取り入れたりするしね。リズムや音の動きは、日本の音楽に影響されているかな。

――なるほど。今年、2度の来日公演を敢行されていますが、日本でのパフォーマンスから今後の作品作りにいかされるものはありましたか?

Young:もちろん! 実は、次のアルバムは日本の音をいろいろサンプリングしているよ。

Whalley:日本の女性のコラースとか、鳥の声とかだね。

Young:結構変なサンプルをしてるよね(笑)。

――すでに新作に着手されているんですね。どのような作品を目指されているのでしょうか?

Young:始まったばかりだから、まだ詳細は決まっていないけどね。心がこもった作品にしたいね。

Whalley:作っているときは、いろんな方向に進む可能性があるんだよね。その時の自分たちの気分がどうかっていうことに関係するし、特にコンセプトのようなものはないんだ。

Young:何もないところから始める、真っ暗なところから始めるというか、あらゆるクリエイティビティを取り入れていく感じかな。


■New Release

News From Nowhere [解説付・ボーナストラック1曲収録/スペシャルWARPステッカー封入/初回限定国内盤] (BRC360LTD) / Darkstar / CD ( Music )

BEAT RECORDS / WARP RECORDS( 2013-01-23 )

定価:¥ 1,851 ( 中古価格 ¥ 65 より )