マンチェスターのバンド、Egyptian Hip Hop(以下、EHH)がウェブサイト「Clash」企画で、独自のプレイリストを発表! マリのミュージシャンから着想を得た「Yoro Diallo」を発表するなどワールド・ミュージック好きな彼ららしく、ルールを感じることができるアフリカン・ミュージック12曲です。

「僕たちは、アフリカン・ミュージックによくインスパイアされるんだよね。11歳の頃に聴いたパーカッションのCDが最初かな。今まで聴いてきた中で1番エモーショナルだったんだ」と思いを語っており、10曲選ぶという企画にもかかわらず、絞りきれずに12曲に(笑)。

12曲をミックスした音源が、Clashのサイトでダウンロードできちゃいます!

1. 「Saba」Ramata Diakite

まずは、かなり聴き込んできたというマリ南部出身のRamata Diakite(ラマタ・ジャキテ)。裕福な音楽一家に生まれ育った彼女は、2009年に33歳の若さで亡くなるまで、Salif Keita、Taj Mahal、Toumani Diabate、Dee Dee Bridgewaterらとパフォーマンスを行なってきました。「8分という長さにスロー・テンポな構成ながら、全く飽きがこない。言葉で説明できないくらい最高なグルーヴに加えて、Ramataのヴォーカルが美しくドラムもとてもタイト」と、EHH絶賛です。

2. 「Untitled(Track 1)」Woubeshet Feseha

エチオピアのミュージシャン、Woubeshet Feseha。1970~80年代ごろから徐々にヨーロッパにも浸透してきたエチオピア・ミュージック。EHH曰く「エチオピア音楽は往々にしてヘビのような感触」を持っていて、「まったく違ったジャンルのイケてる音楽」とのこと。ミックス音源に収録されている楽曲とは、別の楽曲もぜひ聴いてみてください!

3. 「Akazehe par deux jeunes filles」Unknown (from the album Burundi : Musiques Traditionnelles)

今作は、中部アフリカの内陸に位置し、ルワンダやコンゴ民主共和国、タンザニアと国境を接しているブルンジ共和国(Burundi)の音楽を収録した、フォーク・ミュージックのコンピレーション作品。EHH流に説明すると、「Akazehe」は「実生活を反映した1種のヴォーカル・ミュージック」だそうで、今回選曲した曲は少女の歌声をサンプリングしているようです。ちなみに、「Night Bird」という楽曲では、森林の奥深くでサンプリングした音が使用されているそうで、短いながら非常に幻想的で魅惑的だとか。

4. 「Side 2」Fadimoutou Wallet Inamoud

EHHが「ミックス上で重要な役割を演じる」と豪語する同トラック。非常に陰鬱とした空気に、催眠効果の高い独特のテンポで歌うマリの若い少女。

5. 「Jema Yiri」Lamissa Bengali

Djakaride Bengali、Mamoutou Bengali、Seydou Bengali、Sidi Bengaliという4人の兄弟で構成されたLamissa Bengali。地域特有の伝統的サウンドをうまく取り入れています。

こちらで無料ダウンロードもできます。

6. 「Side A Track 1」Mnat Azawan

こちらも非常にマニアック。アフリカ北西部に位置するモーリタニアやモロッコの音楽家から成るMnat Azawan。伝統音楽の精神のミックス、非常にチープなシンセのノイズなどを取り込んだサウンドに衝撃を受けたそうで、特にトラック1、4が個性的で気になるサウンドのようです。

7. 「Mory Djo」Ami Koita

裕福な家庭に生まれたAmi Koitaは、同じくKirina出身のSalif Keitaとは対照的に、寛容な環境のもと音楽の才能を伸ばしました。従来の音楽を現代のサウンドに取り込みながら、力強い音声とダイナミックなステージ・パフォーマンスで、西アフリカの女性音楽家を代表する存在となりました。同楽曲は、彼女を代表するヒット・ソングです。

8. 「La-Amber」Archach

お次は、EHH大絶賛のArchach! 伝統的な北アフリカの民族音楽をベースに、現代的なエフェクトと甘いドラム・マシーンのサウンドを重ねています。「とてつもなく素晴らしいメロディとサウンドなんだ。まるで日照りのなかで見つけたオアシスみたいだね。それか、海から砂漠に吹いてくる風みたいな感じかな」と渇いた心を潤してくれるサウンドのようです!

9. 「Sele sene seqlet」Alemu Aga

エチオピアのミュージシャン、シンガー、そして“ダビデ王のハープ”と呼ばれるエチオピアの楽器“Begena”のマスター奏者として知られるAlemu Aga。Yared音楽学校でBegenaや地理学の教授として教鞭をとってきましたが、その後はBegena奏者として活動に注力しています。一時期、エチオピアでダーグ軍事政権が起こり、begenaの禁止など厳しい政策が敷かれましたが、教育の職を辞しプライベートでの演奏を続けていました。政権崩壊後は、改めて公的な活動を再開しています。

今回、EHHが選んだのは「Ethiopiques」シリーズのNo.11から。「不思議なハープが生み出す音色がとても温かい子守歌みたい。彼の歌声は毛布みたいで、すごく心地よくさせてくれる」と説明しています。

10. 「Kumadugu」Souley Kanté

「チープなシンセ・サウンドに精通しているマリの人々は、コンディションの悪いストリングや真鍮パッチから、素晴らしいサウンドをつくる。それに、信じられないくらい力強いギターがちょっとだけ取り入れられていたりするんだ。どれかひとつを選ぶのは本当に難しかったよ」とこちらもかなり心酔するサウンドのようです。別の楽曲も紹介!

11. 「Bome Nnwom」Ata Kak

ガーナの上流階級に属するシンガー、Ata Kak。同地の先駆者的存在として、優れたリズムとロマンチストな感性、そして安いキーボードなどを多用したローファイなデジタル・サウンドで独特の音楽を奏でます。

12. 「Horma」Yoro Diallo dit Fernando Moutchatcha

Text by:Mio Yamada