Death Cab for CutieのフロントマンであるBenjamin Gibbardが、1stソロ・アルバム『Former Lives』をリリース。デス・キャブとしての活動は最早説明不要、今年のSUMMER SONICでも貫禄のステージを見せてくれていましたが、そうしたバンド活動と並行してBenjaminが書き溜めた、バンドの作品に収まりきらなかった楽曲が同作に収められています。多くのロック・リスナー魅了して止まない、あのデス・キャブの感傷的でリリカルなメロディが、より深くパーソナルなものとして響いてくるソロ作品。Aimee Mann、SuperchunkのJon Wurster、Son VoltのMark Spencer、Trio Ellasなどが参加している点でも豪華な内容となっています。ソロとしては自身のキャリアでは初となるBenjamin Gibbardに、今作について振り返ってもらいました!

Artist:Benjamin Gibbard
Interview & Text:Shoko Fukuda

――今作は、過去8年間に書き溜められた楽曲を収録した作品とのことですが、ソロとしてリリースするという点で、バンドとして発表する楽曲との間に違いがあるのでしょうか?

Benjamin Gibbard:ソロとバンドの違いはないかな。実際、僕はつねに曲を書いてて……直接的にはバンド(Death Cab for Cutie)のアルバムのために書いてるんだけど、とにかくできるだけたくさん曲を書こうとしてる。で、今回の曲は、その当時作ってたアルバムにはうまくはまらなかった曲なんだ。曲として良くなかったっていうんじゃなく、デス・キャブのアルバムにはまらなかった曲だね。それが溜まっていって。元々そのために書いたアルバムにはうまく入れられなかった曲としてね。だから、僕としては今回の曲を、バンドのアルバムの未公開シーンみたいに考えてるんだ。

――元々からソロ作品をリリースしたいと考えられていたのでしょうか? 今作をリリースしようと思ったキッカケはありますか?

Benjamin:別にソロ・アルバムのリリースを計画してたわけじゃないんだ。気付くとレコード1枚出せるくらいの曲が溜まってて。で、レコーディングしようって決めて、そこからアルバム1枚作れれば、と思ったんだよ。

――サウンドについても様々なタイプの楽曲が並び、ヴァラエティ豊かな作品になっていますが、バンド活動と比べてソロだと自由に表現できる幅が広がるのでしょうか? ソロ・ワークでしか表現できないものがあれば教えてください。また、特にそういった部分が表現されている楽曲はありますか?

Benjamin:特に違いはないかな。実際、ソングライティングのプロセス自体はあんまり変わらないな。僕はソングライターだから、つねにプレイして、曲を書いてる。いつでも曲を思いついたら、それを形にする、っていう。だからどんな場合でも、ソングライティング自体はほとんど同じなんだ。

――ゲスト・ミュージシャンはどのように決定されたのでしょうか? 彼らとの制作はいかがでしかた?

Benjamin:Jon Wursterと僕はかなり前からの友だちなんだけど……Superchunkは10代の頃から好きなバンドで。今でも大好きなバンドの一つだね。だから、彼と友だちになれただけでも光栄なのに、今回一緒にやれたことは本当にグレイトだった。Aimee Mannとも友だちなんだ。当たり前だけど、彼女は伝説的なシンガー・ソングライターで。(Aimeeが参加している)「Bigger Than Love」は最初からデュエットだったんだけど、それを誰と一緒に歌えるか考えた時に、一番最初に浮かんだのがAimeeだった。で、彼女が来てくれて。ほんと素晴らしかったよ。自分がずっと昔から聴いてた彼女の声が、僕が書いた曲を歌ってるんだから。スピーカーからそれが聞こえてきて……ほんとクレイジーだったな。素晴らしい仕事をしてくれた。確かに、いろんなインプットが他の人たちからあった。Aaronのプロダクションをはじめとして、他の人たちがやってくれたことなしには、このアルバムは成立しなかったからね。もちろん、ある意味僕が共同プロデューサーを務めたし、多くは僕の最初のヴィジョンを形にしたものだけど、参加してくれた全員の仕事とインプットなしには、絶対にこういうものにはならなかった。このレコードにあるもの全部が、彼らのおかげだと思ってる。

――日本のファンにとっては嬉しい「イチローのテーマ」がありますが、3年前に作られた曲だそうですね。もしイチローがマリナーズからヤンキースへ移籍することがなかったら、発表はありえなかったのでしょうか?

Benjamin:いや、あれは実際、2年ほど前に書いた曲なんだ。もちろん、彼がまだマリナーズにいた頃に。僕はLAに住んでて、ちょっとシアトルに対してホームシックみたいな気持ちになってて。それで彼のテーマ曲を書いたんだけど、今は彼もヤンキースだからね!

――ソロとしての作品のリリースは今後は未定とのことですが、ソロ・ワーク自体は続けていかれますか?

Benjamin:今はソロ・アルバムをまた作ろうとか、そういう気持ちはないけど、これからもずっと曲を書いていくだろうし、いい曲をたくさん作りたいとも思ってる。だからそこから、例えば8年後にはまたソロ・アルバムとして何枚かリリースできていればいいな、っていう感じかな。それを目指すっていうよりは。


■New Release

フォーマー・ライヴズ / ベンジャミン・ギバード / CD ( Music )

よしもとアール・アンド・シー( 2012-10-17 )

定価:¥ 2,365 ( 中古価格 ¥ 710 より )


Benjamin Gibbard日本オフィシャル・サイト
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