復活から早2年、3/7に3rdアルバム『Got It If You Want It』をリリースした22-20s。活動の拠点をアメリカに移し制作された今作は、バンドとして活動する中で直面する挫折や失望、母国イギリスでレコーディングをしたことで蘇った彼らのルーツ、そうした様々な要素を内包しながらも揺るぎない自信が垣間見える作品だ。5月には待望の来日公演も果たし、自信に満ち溢れる姿をオーディエンスに見せた22-20s。その迷いのない姿勢は、どのように彼らの中に芽生えたのだろうか。

Artist:22-20s
Interviewer:フクダショウコ

――最新作『Got It If You Want It』をリリースし、ライヴで新曲も披露されているかと思いますが、手応えなどは感じていらっしゃいますか?

Martin Trimble:ちょっとだけアメリカでツアーを回ったんだけど、今作はアメリカではまだリリースされていないんだ。イギリスや日本ほど僕たちのことはよく知られているわけではないからね。だから、全然新曲を知らないオーディエンスに向けてライヴをやっているようなものだったんだ。でも、新曲も昔の曲も、どちらも反応がすごく良いから、それは勇気づけられるよね。

――今後の各地でのライヴでも、期待が高まるところですよね。

Martin:そうだね、イギリスでもライヴをやりたいとは思っているんだ。でも今はアメリカが中心となるかな。

James Irving:イギリスは僕らの母国だし大切な国なんだけど、今の音楽シーンの状況を見ると、レコードをリリースしてツアーを回るっていうのは難しいかもしれないね。

Glen Bartup:日本もそうだけど、イギリスには22-20sのファンベースがあるから、ライヴを見に来てくれる人は確実にいるんだろうけどね。

Martin:前作をリリースした時も、来日する前に少しだけイギリスでツアーを回ったんだけど、その時もすごくファンが集まってくれたんだよね。僕らは前作の出来に今もすごく満足しているんだけど、イギリスではシングル曲をリリース出来たりラジオでオンエアされたりっていうことが重要で、そういう点では、それを果たすことが難しかったんだ。今作についても、作った時で言うともう1年前くらいの気持ちが入った作品だから、どちらかと言うと、この後アメリカに戻ったらすぐに次回作に取り掛かりたいと思っているんだ。もちろんアメリカではまたライヴをすることになるだろうし、その反応が良ければイギリスでもってことになるかもしれないね。

――1stリリース後に一度解散し、前作2ndが再結成後の復活作だと考えると、実質的には今作がバンドとしてのコンスタントな活動の中でリリースされた最初の作品ということになりますが、そうした点で前作までと今作とに何か違いはありますか?

Martin:今作でまず重要だったのが“色んなことを考え過ぎない”ってこと。レコーディングにかける時間は6日間っていうのを自分たちで設定して、どういうアルバムにしようかとか、このアルバムは僕たちにとってどういうものなかのかとか、そういうことを考え過ぎないで、ただただとにかく作ってみるという感じで取り組んだんだ。そういう意味ではすごく健康的だったと思う。

James:やっぱり前作は、再結成して、どういうものを作ろうかっていうことを1年以上かけて考えて作ったものだったから、そこが全然違ったね。

Glen:1stは、バンドを始めてすぐにレーベルと契約した時の、ある意味奇妙な状況で作った作品だった。だから今作は、19歳の時以来初めて自分たちが何をしたいかハッキリとわかって作った作品だと思うよ。

James:改めて僕たちを振り返ってみると、1stはすごくプレッシャーがあったアルバムだったと思う。2ndは一度解散して次は何をするのかということを考えた作品だった。そして今回は、自分たちがどうなるかっていうことをあんまり心配せず、自信を持って僕たちはこうなんだ、色々あったけど10年続けてきたんだっていう気持ちで作ったアルバムなんだ。

Glen:本当に色々あったけど、何がやりたいのかっていうことを、20代後半になって初めて平常心で臨みながら作れた作品だと思う。

――リラックスした状態で制作できたんですね。

Martin:ああ、そうだね。

Glen:もちろんレコーディングにストレスがなかったわけではないんだけど……。

Martin:うん、でもそれは良い意味でのストレスだったね。例えば、今思えばの話なんだけど、1stはもっと時間をかけて曲を作って、それからレコーディングをしてツアーに回るべきだったんだけど、一気にそれらが起きてしまった。2ndは自分たちでも試行錯誤して、もっとプログレッシヴにするべきなのかとか、メロディックにするべきなのかみたいなことを考えながらやったレコードで、ある意味おもしろい作品ではあるんだけど、やっぱりちょっと混乱してる部分はあるよね。だから今回は何をやるべきかっていうことがわかった上での作品だから、ストレスといえるものは、正しいテイクを録らなきゃみたいな実際的なものだけで、観念的な部分での悩みとかは全然なかったんだよ。だからリラックスできてたんじゃないかな。

――今作を作ってみて、バンドとして新しく発見した部分はありますか?

Martin:今作は一発録りでやるっていうのが大事なポイントだったんだけど、振り返ってみると、そうじゃない方が僕たちにとっては良いかもしれないってことに気がついて。作ってる最中はわからなかったんだけどね。次のアルバムは、ギターとベースとドラムと別々に録っていこうかなって思ってるんだ。

Glen:音響的に実現したいことと、曲作りとしてやりたいことは分けるべきなんだって気づいたんだ。歌詞を書いたりメロディを生んだりっていう音楽を作る部分では、どんどん冒険していくべきだし進化していくべきだと思う。

Martin:うん、でもサウンド的には、ダンス・グルーヴとかを取り入れたりするバンドもいるけど……、例えばRadioheadみたいなバンドって音響的な部分でどんどん幅を広げていって、様々な影響を取り込んで音楽自体を進化させていると思うんだけど、僕たちはそういうバンドじゃなくって。音に関してはブラッシュアップして良い音を録ろうっていうことだけで、自分たちがやるべきことは“良い曲を書く”っていうこと。Johnny Cashの曲を聴けば、サウンド的にどうこうじゃなくて彼が書いた曲そのものが良いって思える。その人そのものが聞こえてくるんだ。それこそが僕たちが追求すべきとこなんだと思ったんだよね。

――楽曲制作はアメリカで行なわれ、レコーディングを母国のイギリスに戻ってされたことで、結果的にご自身のルーツ的なものが楽曲に反映されたということを前回のインタビューでおっしゃっていましたが、具体的にはどういった部分が楽曲に反映されていると感じますか?

Martin:4ピースから3ピースに戻ったこともあって、もしかしたら、今書いている曲の方がよりルーツに戻るような感じがあるかもしれない。でも、やっぱりレコーディングした場所が自分が住んでた家の近くでもあったし、落ち着くっていうか守られているような感じはあったと思う。音楽的にも初期の頃に戻るような感覚は確かに今作にはあるんだけど、やっぱりそれも、そういうものを作ろうって意図したわけではないんだ。

――加えて、失恋など、周囲の人とのリレーションシップが壊れてしまった経験などが歌詞に反映されているということでしたが、そういう意味では割と内側に向けられた作品だとも感じます。前作からの2年間という月日はどういったものだったのでしょうか?

Martin:確かにこの2年間の経験は反映されているだろうね。アメリカでツアーをかなり回ったんだけど、僕たちのことをほとんど知らない人の前でライヴをしたり、すごくヒドイ場所に泊まったり、落ち込むことがいっぱいあったよ。どんなバンドでも経験することだと思うけど、ツアーをずっと続けていると、恋愛関係や人間関係がどんどん壊れてしまうこともあって……(苦笑)。だけど、そういうことが良い歌詞を書く重要なキッカケになったりするよね(笑)。でも、一般的にブルーズ自体が傷心に基づくダークな歌詞にグルーヴを与えることで、音楽の中に逃げ場を与えるものだと思うから、僕たちもそれと同じことをやってるんだと思いたい。だから、ただ単に落ち込むような歌詞があるんじゃなくって、音楽を作った時にそこに喜びや楽しさが生まれるようなものになってると良いかな。

――それが実現できているのも、先程ご自身もおっしゃられていたような“バンドとしての自信”によるところだと思います。具体的にその自信に繋がっているものとは何でしょう?

Martin:う~ん、そうだな、自分たちがロックンロール・バンドである、それ以外の何者でもないっていう部分で自信ができたんだと思う。

James:自信を持つっていうよりも、僕の感覚としては恐怖がなくなったんだ。曲も書けるってわかっているし、ステージに上がれば良いプレイが出来るってわかっている。自分たちを疑うことがなくなったっていう感じだね。

Martin:バンドを始めた18、19歳の頃って、業界や契約のこととかを考えずに、ただ単にGlenの家の地下室でとにかくカッコいい曲を作りたいっていうだけでやってたわけで。ColdplayやTravisが流行っていた当時、そうじゃないロックンロールのすごく良い曲が書きたいって思って始めたのに、いつの間にかそういうアティチュードが段々なくなってきてしまったんだよね。でも、僕たちが好きなJohnny CashやGene Vincentのレコードを聴くと、ただバーンってやってるだけみたいな、やっぱりそんな曲が書きたいんだって思ってくる。今はそういうバンドがいないと思うから、自分はそれをやりたいし。ガレージとかブルーズっぽいことをやってるバンドなら、例えば今だったらThe Black Keysとか思いつくんだけど、彼らは色んな要素を取り入れてもう少し複雑なことをやろうとしてる気がするよね。彼らのソウルっぽい部分とかすごくリスペクトしてるし。でも自分が次やろうと思ってるのは、複雑さとかじゃなくてもっと純粋なロックンロールっていうか、逆の部分で極端に振り切れてみようかって思ってる。もうほとんど子どもっぽいみたいなことをやってみたくて。今までは、周りのアドバイスを意識してしまったり、僕たち自身もこれで良いのかって思ったりもしてきたんだけど、今はそれがなくなったんだ。それが僕にとっての自信なんだと思う。


■New Release

Got It If You Want It 【初回限定盤】 / 22-20s / CD ( Music )

よしもとアール・アンド・シー( 2012-03-07 )

定価:¥ 2,674 ( 中古価格 ¥ 650 より )


22-20s日本オフィシャル・サイト
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