1stアルバム『Cape Dory』の白昼夢の世界にいざなうようなドリーム・ポップで次々とリスナーを虜にしてしまったTennis。メンバーのAlaina MooreとPatrick RileのごくパーソナルなプロジェクトであったはずのTennisは、彼らが大海原に旅立ったように世界を徐々に席巻。彼らの経験が反映された楽曲は、まさに彼らの人生そのものとしてリスナーにもそれを追体験させているのかもしれない。そんなTennisの第二の航海となる最新作『Young And Old』が4/18にリリースされ、ここ日本でもついにデビューとなる。今作のプロデュースには、なんとThe Black KeysのPatrick Carneyを迎えて制作! 1stの成功を受けて大きなプレッシャーもあったであろうと推測されるのだが、その期待値をふわっと飛び越えるように作品を完成させ、世界中の人々をその船に乗せて旅立つ準備が整ったようだ。日本でのライヴも待ち望まれる中、Alaina最新の言葉が到着!


Artist:Tennis

――Tennis結成のキッカケを教えてください。

Alaina:Patrickとは大学生の時に知り合ったの。Patrickは卒業したらすぐに旅に出て、船乗りになって航海する計画を立ててた。それでグッときたの(笑)。私の知り合いはほとんど、卒業したら大学院に進もうとか法科に行こうとか、そんな人ばっかりだったのに、船乗りになろうなんていうのは彼だけで。それにインスパイアされて、それから仲が良くなるにつれて付き合うようになって。当時、私は自分も卒業したら大学院に進もうと思ってたんだけど、それをいったん延期して、彼と一緒に旅に出ようって決めたのよ。それで、結局二人で8ヵ月船で暮らすことになった。あれは本当にすべてが変わるような体験で、旅の終わりには結婚しようってことになったのよ。それで結婚して、デンバーに戻って、仕事を見つけて。それから、1年間海の上で生活したっていうシュールな体験を、自分達なりに消化しようとしはじめたのね。実際、人に伝えるのが難しかった。でも思い出を失いたくなかったし、そこで学んだことも失いたくなくて。それで、私達はそれについて曲を書きはじめたのよ。旅から戻って半年くらい経った頃かな? 一緒に曲を書きはじめて、最初に(1stアルバム『Cape Dory』収録の)「Marathon」が出来たの。で、友達に聞かせるためにインターネットでシェアしたら、いくつか音楽ブログに取り上げられて、ラジオでかかりだして、突然いろんな人からメールがきはじめて。私達はどういう人なのかとか、あの曲は何についてなのかとか、ライヴをやりたくないかとか訊かれたのよ。つまり、突然、一曲を元にしてバンドが始まったっていう(笑)。

――二人の音楽的趣向はどのような感じなのでしょうか?

Alaina:私は子供の頃、ほとんどクラシック音楽とミュージカルしか聴かなかったの。Judy Garlandの古い映画とか、そういう音楽が大好きで(笑)。Patrickの方は、もうなんでも好きっていうタイプ。昔のロックもなんでも聴くし、私より大人っぽいテイストを持ってる。私は小さい時に教会で歌っていて、私もPatrickも大学では短期間音楽を勉強したの。その後で二人とも哲学を発見して、知的追求の対象として哲学と恋に落ちたのね。音楽より哲学の方が自分には合ってると思った。実際、Patrickとは哲学の授業で知り合ったし。二人とも音楽を勉強してたんだけど、哲学に変えた後に知り合った。それが私達二人のバックグラウンドね。二人で航海している間、フロリダ・キーズに停泊してた夜に、ラジオからShirellesの「Baby It’s You」が流れてきて。それまで私、あの曲を聴いたことがなかったんだけど、もう曲のすべてと恋に落ちたの。で、もし自分が曲を書くことがあったら、こんな風にしたいと思った。だから『Cape Dory』を書いてる時には、ああいう50年代のポップ・ソングが頭にあったわ。

――前作『Cape Dory』は高評価を獲得しましたが、今作をリリースにあたりプレッシャーはありましたか?

Alaina:まったくプレッシャーは感じなかった。これがどんな風に受け止められるか、とか。私とPatrickが一番好きなのは、曲を書くことなの。例えば私は、ライヴをやるのがすごく苦手で……性格的に、ステージの上で注目の的になるのが楽しめなくて。私達のライヴを観たことのある人ならわかると思うんだけど、私ってMCもほとんどしないし、クラウドの方もほとんど見られなくて。大抵は目をつむったままなの(笑)。でも曲を書くのは大好きだから、もう3rdアルバムの曲も書きはじめてる。だから、曲を出さなきゃいけない、みたいなプレッシャーはまったくないのね。スランプもまったくない。いつだって新しい曲を書きたいと思ってるから。

――プロデューサーにThe Black KeysのPatrick Carneyを起用された経緯は?

Alaina:The Black Keysの音楽スタイルは私達がインスパイアされてきた音楽と同じところから生まれているから。ラッキーなことに、過去にThe Black Keysとレーベルをシェアしてたのね。彼らの旧譜はアメリカではFat Possumから出てるから。それで共通の知り合いがいて、Patrick Carneyにプロデュースに興味があるか打診したの。それがうまくいって、実際私達、びっくりしたし、嬉しかったし。彼とやるのは本当にポジティヴな体験だった。次も絶対、彼と一緒にやりたいと思ってる。

――今作のタイトルである『Young And Old』の由来は?

Alaina:アイルランドの詩人William Butler Yeatsの詩「A Woman Young and Old」から取ったの。私が重要な詩人や作家を読み直してる時に、この詩に出会ったんだけど。うまく説明できないんだけど、とにかく心を動かされたのよ。曲を聴いてすぐに「これこそ私の歌だ!」って思うのと同じように、自分の詩だって感じた。そういうのって、それまで詩に対して感じたことがなかったのに。

――今作で気に入っている曲があれば教えてください。

Alaina:歌詞で一番誇りに思ってるのは、「My Better Self」かな。あれは歌詞が先にあって、後から曲ができた数少ない曲の一つなの。普通は大抵、先に曲ができるから。でもこの曲の場合は違っていて、先に歌詞で表したいことがあった。できばえにもすごく満足してる。

――最後に日本のファンに一言お願いします。

Alaina:まずは、聴いてもらえて本当にありがとう、ってこと。それから、とにかくできるだけ早く来日します、ってことかな(笑)。


■New Release

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