メンバー全員がまだ10代でありながら、突然変異のポスト・パンク・バンドとしてすでに世界中で話題となっているコペンハーゲン出身のIceageが早くも初来日を果たし、2/8(水)原宿アストロホールにてライヴを行ないました。デンマーク国内でのみリリースだった1stアルバム『New Brigade』は、その後XL/Abeanoからリリースされ、1/25に日本盤も発売。噂が噂を呼ぶ、とはこういうことを言うのかと思うほど、多方面から彼らに関する情報が飛び交っているのを肌感覚で実感している中での来日公演。くすぶる火種を完全に燃え上がらすような絶好のタイミングだったので、フロアに多くのファンが駆けつけていました。


とにかくノイジーで荒削りというのが同公演の最初の印象。「アンプがMAXなんじゃないの?」「サウンド・チェックしてんの?」と思ってしまうほど、ハウリングがバリバリでも全く動じず演奏を続けていく……、それがまた彼ららしくて、初っ端から驚いたというよりは、思わずニヤッとしてしまいました。しかしそこからはまさに一挙手一投足を見守るといった感じになってしまったオーディエンスも多かったのではないでしょうか。あの喉の奥から唸るような低いEliasのヴォーカルは、音源以上に私たちを刺激するし、一瞬たりとも油断させてなるものかと思わせるのです。

曲間にひと言ふた言MCを挟み、タイトルを述べて次の楽曲へと淡々と演奏を続けるという本当にシンプルなライヴ。3分にも満たない楽曲ばかりということもあり、あっという間にセットが進んでいく。しかしながら一見淡白なライヴとは裏腹に、ステージから発せられるエネルギー量は大きく、全身が炊きつけられるような感覚が走ります。ライヴが進むに連れ完全に自らを解放し、ステージに向かって拳をあげそれに応えているステージ前方のオーディエンスの様子が眼前に広がっていく。これは一体何だろうと考える間もなく次々と楽曲が演奏されていくのですが、「White Rune」で“マーチング!マーチング!”と煽動するように叫ばれた時、スポイルされて怠惰になってしまった精神が覚醒させられているのだなと感じる瞬間がありました。

等身大というにはあまりに無防備すぎるし、衝動的というにはどこかプラトニックな雰囲気が漂っている、そこが彼らの魅力のひとつだと個人的には思っているのですが、その想いを裏付けしてくれるかのようなステージ。単なる若さ故の衝動の発露と違い、Iceageの楽曲やステージには目的と意志が伴っていることを確信しました。ただ一瞬の享楽に溺れるのではない強い意志が伴ったステージはとても真っ直ぐで、どうにもならない苛立ちを抱えながらも、悪態をつきながら現状に甘んじている私たちを良い意味でアジテートしてくれていたような気がします。

熱狂的になりながらも、その一方でふっとその灯火が消えてしまうんじゃないかとも思わせる、その脆くも美しい様がJoy Divisionと比較されることも多いIceageだけに、少しばかり今後が心配にもなるのですが、アンコールで披露した「You’re Blessed」ではEliasが客席にダイヴ! 最後は客席のオーディエンスにいつまでも握手のやり取りに応えている無邪気な様を見せていて、自分が安堵の笑みを漏らしているのに気づいてホッとしてしまいました(笑)。ギリギリの少年性が最後に垣間見えた気がします(19歳だから当然なんですけどね・笑)。だからこそ今後の彼らの成長も俄然気になってしまう、そんな一夜となりました。

Text by:フクダショウコ

ニュー・ブリゲイド / アイスエイジ / CD ( Music )

ホステス( 2012-01-25 )

定価:¥ 2,037 ( 中古価格 ¥ 504 より )