サウンド、ルックス、オーラ――すべてが圧倒的な衝撃を放つ有機体、BO NINGEN。激しい轟音のなか、回顧の先にある希望を吐き出す。活動の場を限定しない緩やかで柔軟なスタイルは、ロンドンを活動拠点にイギリス、日本、そしてヨーロッパをものすごい速度の暗いノイズの波で浸食。2011年はアルバム、EPをリリースし、12年も国境を越えたライヴと精力的に活動を続けている。激情のなか見え隠れする沈着さ。主体的な世界に潜む客観性。BO NINGENというサイケデリックなサウンドに込めた思いは一体何なのだろうか? 黒いベールに包まれた素顔に迫った。

Artist:BO NINGEN
Interview & Text:Mio Yamada

―昨年1月、shibuya duoで行われたSleigh Bellsとのライヴで衝撃を受け、いつかお話を伺いたいと思っていたので、今回念願叶ってのインタビューです! “BO NINGEN”--サウンドはもちろんバンド名、ルックスでもインパクトがありますよね。こだわりはあるんですか?

Taigen Kawabe(Vo&Ba):バンド名はめちゃくちゃ考えたというよりは、シンプルですね。最初に僕とKohhei君(Gt)が会って何かをやろうってなった時に、ふたりとも痩せていたので“BO NINGEN”。笑 このバンドを始める前に軽くデモを録って、iTunesで名前をたまたま付けたんです。あとは、当時付き合っていた人に、僕が「ほんとに2D。2次元だね」と言われていて。「(横を向いて)これで2次元、(正面を向いて)これで3次元」と言っていて、「ああ、そうか。棒かあ……」みたいな。

Kohhei(Gt):薄いからね。笑

Taigen:そのあとも、細いのがふたり順々に入ったので。その時も、ドラムのMo-chanだけ髪が今くらい長かったけど、みんなそんなに長くなくて。「よし、バンド始めるからみんなで伸ばすぞ」みたいな感じで決めたり、特に申し合わせたわけでもなく、自由に好きなことをやっていたらこんな感じになったんです。

Yuki(Gt):そう思われがちだけどね。笑

―Taigenさんがロンドンに行かれたきっかけは「音楽の勉強をするため」と伺いました。なぜ日本ではなくロンドンを選んだのでしょうか?

Taigen:日本の大学のキャンパス・ライフ的なものに幻想を抱いたり、ワクワクできなくて。特に大学で勉強するっていうことが、どうすればいいのかわからなくて、魅力が感じられなかったんです。それで海外のことを考えた時に、アメリカは情勢があまり良くなくイギリスに知り合いがいたので、音楽をイギリスでやろうかなっていう気持ちだったんですね。でも、「イギリスでバンドをやってひと山」みたいな感じではなく、単純に少し勉強しようと思っていたことが長引いたっていう。あくまで自然な流れで、力んでいったわけではないですね。

Kohhei:そうだね。

Taigen:Yuki君とMo-chanも、音楽ではないけど大学行ったのはそういう感じでしょ?

Yuki:僕は何かしら日本を出たかったっていうのがあって。Taigen君と似て非なるというか、大学の生活みたいなものが想像できなくて。友だちは大学行ったり就職したりしているけど、それもしたくないと思って、出たかったんですよね。それで英語圏の国って限定したら、おのずと限られてきて。

Taigen:意外と「UKロックがすごい好き」みたいな人はいないので、イギリスの音楽と直結はしていないですね。

―「音楽をやってやろう」みたいに意気込んだ感じではなかったんですね。

Taigen:音楽はやりたかったんですけど、“日本人”でどうこうしよう的なことはまったく考えてなくて。イギリスのバンドをちょこちょこやっていたんですけど、BO NINGENはメンバー募集をしたわけでもなく、自分でなにかやろうかなって思った時に順番に出会った自然な感じできているので。「イギリス行って音楽で成功してやる!」みたいな感じはそこまでなかったかな。

Yuki:自然ですね。気付いたらそろっていた。

―自然と集まったというのは、それぞれの根底にある音楽性が似ていたから?

Taigen:それはあります。まず最初に、JAPANESE MUSIC NIGHTで僕とKohhei君が出会って。僕は3つもサポートをやっていたり、ふたりとも全然違う音楽性のバンドで活動していたんですけど、共通の友だちが紹介してくれて。エクスペリメンタル系とかノイズ系とか、そういう音楽の話をする人が周りにいなかったから、きっかけは聴いている音楽の共通性ですね。Kohhei君、Yuki君を会わせた時に盛り上がったのも、音楽の趣味が共通のものだったっていうことはありますね。

―BO NINGENは普段はロンドンに拠点を置いて、日本では来日という形で活動していますが、実際に活動して感じるミュージックシーンの違いはどのようなものでしょうか?

Taigen:ミュージシャン側からすると、活動しやすいのはイギリスだと思うんですよね。日本だと、ノルマとかがあるので活動が限られる。シーンが細分化されていて、ひとつひとつはすごく格好いいんだけれど、あまりクロスオーバーしないというか、お客さんも出演者も似たところがあって、イギリスの方がまだ融合している印象があります。

Kohhei:イギリスの方が、大きい括りでやっているというか。

Taigen:ブッキングは、ハコよりもオーガナイザーのような人がイベントを催すんです。日本でもイベンターが増えてきたけど、前はもっとライヴハウスのブッキングが多くて。イギリスはオーガナイザーがハコを借りるので、ハコに行ったらどういう音楽があるというのではなく、イベントによってバンドがクロスオーバーしたり、違うジャンルが混ざるんです。だから、うちらがイギリスでやっていてよかったなって思うことは、いろんなバンドとやれたこと、場数を踏めたこと。もちろんアウェーもすごくあったんですけど。笑

Yuki:日本でやっていたら、似たようなバンドとばかりやっていたかもしれない。

Taigen:そういうところではシーンはできるけど音楽性が似てきたりするので、今思えばそういう環境にいなかったのもよかったのかなと思います。うちらは“逆輸入バンド”として扱われるので、邦楽しか聴かない人も、洋楽しか聴かない人も、アングラ好きな人も聴いてくれるんですよ。日本は「洋楽なんて」「邦楽なんて」っていう(視界が狭い)人が多いので、そういうところをクロスオーバーできたのは、イギリスでやって帰ってきたうちらの強みだと思います。

―なるほど。では、リスナーの立場を考えた時に感じる違いはどんなことでしょうか?

Taigen:イギリスのイベントっていうとファッション、音楽に結びついてそうだけど、意外と日本の方が結びついている気がする。例えば、ビジュアル系好きな人がゴスっぽかったり。アングラだったらサブカル的な服、東京ドームに行くとCanCam系みたいな。笑 もちろんジャンルによりますけど、そういう意味ではファッションのすみ分けってイギリスよりされているんじゃないかな。

Yuki:イギリスでは産業そのものが交わって、クロスオーバーしちゃうのがすごい。「一緒にやろう」っていうのが起こりやすいんです。

Taigen:たまたまファッションの関係の方やアート系の人が来て、そこからイベントができたり、雑誌のモデルに使っていただいたりして。あと、ライヴハウスに入る感覚が居酒屋に遊びに行く感覚に近い。「よし、今日行くぞ」みたいな感じの人もいるけれども、わりとフラッと行くんです。

Yuki:フラッと行ったら音楽が流れている。

Taigen:イギリスでは飲みに行くといったらパブで、バーにはそうそう行かない。日本だったら居酒屋とか友だちの家に行くじゃないですか。パブに飲みに行くと、そこに音との出会いがある。特別なイベントでなくても観に行ける環境があるので、そういうところは全然違うと思います。

―イギリスの方が音楽の入口が広いんですね。

Taigen:すごく広いですね。

Yuki:ファッションカルチャー誌みたいなDAZED & CONFUSEDっていう雑誌があって、それの新しいウェブ・コンテンツのパーティーに呼ばれたり。来ている人がファッション業界のゲストばかりでやることもあれば、普通のパブでもやるし。チケット代でいったら、そういうところは全然安い。僕らを見るのに向こうやったらせいぜい5ポンド、日本円で800円くらい。日本だとノルマがあるので、どんなに誰も知らないバンドでも1500、2000円になってしまうんです。音楽がもっと近い。

―BO NINGENはいろいろな場所でライヴを行っていますよね。でも、「自分たちをこう見せたい」という思いから活動の場所を限定しちゃうバンドもあると思うんですよ、特に日本では。BO NINGENはどんな思いからさまざまな場所で活動しているのでしょうか?

Tigen:まずクロスオーバーするときに、それぞれのシーンを見る人の捉え方って絶対に違うと思うんです。ファッション業界の人がうちらをおもしろいと思うのは、好き勝手やっていてオシャレじゃないところが斬新に見えるかもしれないし、アングラからみたら全然違う風に見えるかもしれない。捉え方の違いっていうのは、クロスオーバーするうえで一番大事なことなので、いろんな捉えられ方をしているっていうのはすごくありがたいですね。僕は日本語で歌うこともあるんですが、意味がわからないということはパフォーマンスとか音、感情の部分に目を向けてもらえるので、そこで僕が言っていることと違うことを感じ取ってもらうのはうれしいですね。100人聴いて100人の解釈があったほうがおもしろいと思うし。誤解というのは違うかな。

Kohhei:誤解でいいんじゃない? 悪い意味じゃない。

Taigen:違う人の解釈だからね。自分とは絶対違うけど、見ているものは同じだから完全に対局ではないだろうからね。笑 そこから派生して、いろんな人に見てもらって解釈が違うっていうのはありがたいことで、僕たちもそのスペースは残しておきたい。演奏や歌詞を変えるところもあるし、場所によってセットリスト、曲順や曲の感じも絶対変えるんですよ。同じものはないし、そういうところに合わせていけたら、自分たちももっと成長して広がっていくし、クロスオーバーできるっていうのはすごく意識していますね。だから、「うちらはこれだからこうしなきゃいけない」みたいなのはあまりないですね。

Yuki:向こうはね、いろんな分野の人とやるコラボレーションっていうのが、お互いでつくっていくっていうニュアンスが強いので、僕らは僕らのことをやっていくし、どっちかがダイレクトして「こうやってくれ」みたいにはあまりならないですね。

Taigen:うちらに仕事を振ってくれるファッション関係にしろ、ビエンナーレみたいなアートフェスにしろ、結構自由にやらせてもらってるよね。一緒にやる人自体が「BO NINGENはこういうんだろうからそのままやってくれ」ってあわせてくれる方が多いので、それはすごく理解してもらっているんだよね。

―ライヴは音をつくって完結しているより、エンターテイメント、パフォーマンスとして見られている意識が強いと感じることが多いのですが、そのことは意識されているのでしょうか?

Taigen:エンターテインメントっていうとどうかな? みんな、見られているっていうことは意識しているよね。

Kohhei:そうだね、エンターテインメントっていうのはいいことだと思う。僕らがやれることをやって楽しませてあげるっていうのは。

Taigen:自己満足にならないようにって、意識しているかもしれないですね。お客さんもそうだし、会場の雰囲気、イベントの趣向全部を含めてどこかで考えていないと自己満足になってしまう。初期のころはもっとガーッていう感じだったけど、その衝動は残しつつどこかにつながればお客さんもつながるだろうみたいな。そんなにインタラクティブに、コール・アンド・レスポンスみたいなことはしないですけど。

Kohhei:それ、おもしろいね。笑

Taigen:そういうキャラでもないので。笑 「行くぞー」みたいなのはうまい人っているじゃないですか。でも、うちらは自分がやれるところで勝負するしかないですね。前髪切る前は、客席もまったく見えてなかったんですけど、切ってからは意識するようになって。それから評価も変わってきた気がします。笑 見られているからこそ、エンジンがかからなかった時にすごい追い込みがかかる部分も確かにあるので。自分たちを喜ばせようというのはもちろん、お客さんを喜ばせようとしてやっているというよりは、「つながる」ことを意識しあうっていうことは絶対にあると思います。

―4人で始めた当初からそういった意識を持っていたのでしょうか?

Taigen:実はあまり話したことがなくて。インタビューした時に「そうか」っていう感じで、もともとそんな感じではあったとは思うんですけど、みんなでバシッと意識しはじめたとかっていうのはないんです。

Yuki:そういう意識はあったね。

Taigen:変わったわけではなく、インタビューとかを通して自分のやっていることを認識した感じです。最初の頃はものすごい数のライヴをやっていて、いろんなところに出ていたんですよ。もともとそういうのがあってやってきたからこそっていうのはあるかもね。あと単純に、イギリスって演奏的にもパフォーマンス的にもすごいダメなバンドがたくさんいるんですよね。すげー誰かのマネをしようとしていたり、演奏技術がダメだったり。いいところは吸収するけど、反面教師的にもて成長したなっていう部分が僕は結構あります。「これはやっちゃいけないんだ」みたいな消去法的な感じで、そういう部分で客との意識っていうのはあるかもしれないですね。演奏ダメでもMCでお客さん盛り上げて笑わせる結婚式的なものが得意な人もいるけど、それだけじゃダメだと思ったし、まったくの自己満でやってもよくないなと思ったし。

―「From UK」と紹介されることが多いと思いますが、「日本のバンドとしての意識」「日本から見た海外のバンドとしての意識」、どのような意識で活動しているのでしょうか?

Taigen:邦楽、洋楽両方のコーナーに視聴機を置いていただいて、僕たちがやりたい両方のお客さんにアピールすることができているので、本当に真ん中な感じです。やるところによっても変わるんですけど、意識的にも両方ある気がします。

Kohhei:両方ですかね。僕らがおる場所によって変わるかもしれない。日本におったら「海外でやっている日本のバンド」だって思うし、向こうにおったら「イギリスのバンド」だと思うし。

Taigen:4人ともみんな出身が違うんですよ。東京は僕だけで岐阜(Kohhei)、群馬(Mo-chan)、兵庫(Yuki)。日本に帰ってきたら、日本人っていう感覚がすごくあるんですよ。でも、東京に集まってツアーで各地元やいろんなところを周るのは、すごいシュールというか非日常的なことのようで、ロンドン拠点でやっている日常があったからおもしろい違和感があって。ロンドンとライヴハウスの環境もすごく違うから、“UKのバンド”っていう感じがする。最近ではヨーロッパのライヴも増えてきて、そこでもまた違うよね。場所によって、自分たちの感じている感覚が違うんです。だから、「どこのバンド」っていうといつも迷うんです。「Original From UK」という感じかな?笑 場所によって感じ方は変わるけど、僕たちはニュートラルだし、いいとこも悪いとこも見ているので、両方知っているからこそできる活動がしたいです。

―歌詞の中には、過去や明日などへ「帰りたい」「帰る」「つながる」というフレーズが多いですよね。

Taigen:確かに多いですね。無意識に出しているので、結構自分の中で考えてしまっているんだと思います。これは女々しい話になってくるんですよね。笑

Kohhei:いいんじゃない。笑

Taigen:歌詞は、音が出てきてから出てくるものなんです。歌詞をめっちゃ書いてからやるわけじゃないんですよ。リハーサルやジャムで音を出したものが曲になって、ライヴとかでまた変わって。コンセプトありきでつくろうっていう曲もあるんですけど、「帰る」とか「つながる」とかはそんなに意識したり、自分で考えていないので、そういうキーワードが増えているのは何かあるのかなっていう気がして。なんだろう。女々しい人って後ろのこととか考えるじゃないですか。でも、それだけじゃダメだと思うんですよね。だから、「つながる」とか「明日」とか未来のことも考えているんだと思うんです。自分が経験したことを否定するのではなく、ちゃんと見返す。匂いだったり空気だったり、思い出すときもあるじゃないですか。音を出しているとき、そういうことが出てくるのは個人的に幸せなことなので。前を見なきゃいけないので、両方尊重しつつ自分でバランスをとっているのかな。

―確かに「帰りたい」っていう言葉は、ある種マイナスなイメージが伴う恐れがあると思うんですけど、BO NINGENの曲は前向きな印象を受けるんですよね。

Taigen:そうですね。思い出の中だけで終わらせるのではなくて、再会だったり何かがあるからこそ新しいものが生まれると思うので。自分の原動力として使うのであれば、自己満にもならない。過去にとらわれ過ぎてそこから動けなくなるっていうのはいやなんですよね。だから、自分の感情を向かわせるために使っている感じですかね。その思いを使って先に進もうっていうのはあるので、それを曲から感じてもらえてうれしいですね。

―原動力というのは、曲づくりにつながる原動力なのですか?

Taigen:曲つくり自体は原動力からいうより、音が出てからな感じがしますね。アイデアを持ってきたとしても、ジャムから始まる。歌詞が先ということはそんなにないですね。「今日はこんなことをやろう」みたいなこともたまにありますけど、基本的には音が出てからですね。じゃないとイメージが合わなくなっちゃうし、音を出す時に出したものを出したいので。

―その時に感じたものが、その場その場で楽曲になっているんですね。

Taigen:そうですね。だからライヴでやっていて変わっちゃうこともありますし、それはそれでいいと思うんですよ。その方が嘘をついていないというか。そう思っていないのにそう歌うのが一番ダメだと思うので。その状態で繰り返し同じ曲やってつまらなくなったら、お客さんもつまらなくなっちゃうだろうし。そういうところは、変わっていっていいと思うし。

―「今後、4人でこういう楽曲をつくっていきたい」というような方向性もあらかじめ定めておくのではなく、その場ごとに柔軟に変えていくのでしょうか?

Taigen:アルバムをつくる時とかになって、「こういう曲が足りないから、元からあった曲をデベロップしよう」とかはあるんですけど。基本的に、「こういう曲をやろう」っていった時の方が失敗しない?

Kohhei:意識しすぎて失敗するね。笑

Taigen:そうそう。今、自然に出た音に嘘をつけないというか、「こういうダイレクションの曲が足りないからつくろうぜ」みたいに無理矢理やると失敗する時が多いので、そこは自然に行った方がいいのかなっていう気がしますね。

―活動初期から今までずっとそういうスタンスで?

Taigen、Yuki:そうですね。そこは変わっていないです。

―BO NINGENの音楽性って、ジャンル分けできないというか、ジャンル分けしてしまうのはちょっと違う気がするんですよね。

Taigen:これもよく聞かれるけど、基本的にサイケっていうとジャンルに縛られない。ファッションも、アートも、ライヴハウスも、いろいろなシーンでクロスオーバーしていきたいというのがあるので、音楽性というところでも、ひとつのジャンルに縛られたくなくて。いろいろクロスオーバーしてうちらの音になっていけばいいと思っています。サイケ、サイケロックは「こうしないといけない」っていうのがないジャンルなので、そこにくくられると楽だというか。

Kohhei:サイケって広い言葉だよね。

Taigen:そう。メタルって言葉だと、「アルバムがメタルじゃない」って言われたり。僕たち4人はひとつのジャンルしか聴かないっていう奴もいないし、自然にジャンルに縛られないことはうちらもやりたい。「カテゴライズしにくいね」っていってもらえるのはありがたいですね。

Yuki:そうですね。

―今、「偏った音楽だけしか聴かない」という人がいないということでしたが、ここ最近で刺激を受けた音楽を教えてください。

Taigen:僕が言うとちょっと……笑

Yuki:いいじゃん。笑 縛られないって言ったばかりだし。

Taigen:んー僕、最近アイドルとか聴いていて。

―あ、ももクロ(ももいろクローバーZ)ですか?

Taigen:あ、知ってるんですね。笑

Yuki:ほらー! 有名有名。笑

Kohhei:でも、Taigen君だけだもんね。笑

Taigen:なんだよ、ちょっと来てるだろ?笑

Yuki:確かに完全に否定だったものがそうではなくなってるんですけど。

Taigen:僕も、アイドルとか完璧に否定していたものだったので。今でも、AKB48とかはあんまり好きじゃないんですけど。今まで聴いていなかったからこそ、「なるほど」みたいに学ぶところや周りのバンドから得られないものがあるがすごくあるんですよ。初期衝動とかね。単純に元気ももらえるし。笑 楽曲の聴き方も変わってきたし。こだわりがあるからこそ、「邦楽しか聴かない」とか「洋楽しか聴かない」とかあると思うんです。僕も意識していなかったけど、何かしらあったと思うんですよ。それが完璧に壊れたというか。「メインストリームだから聴かない」とかそういうものがなくなった感じ。構えて聴かないで、単純にいいと思って聴けるようになれた気がします。自分のこだわりを持ちつつそこを壊して、メインストリームにもドアを開けて、自分がオープンになれた。新しいシーンにつながることができて、クロスオーバーできるきっかけになればいいと思っています。

―なるほど。アイドルは意識の高さもすごいですよね。みなさんはどうでしょうか?

Taigen:イギリスだとあんまりないんだよね。

Kohhei:イギリスで今、「New」っていうバンドがおって、それが格好いい。でっかくくくると、ヨーロッパ・フリージャズの正統な流れを汲んでいる人で、その辺のロックとか言っている人は敵わない。すごいよね?

Yuki:やばい。

Taigen:イギリスのメインストリームやインディでやっている人には、あんまり刺激的なのがなくて。イギリスは、クラブがおもしろいと思うんですよ。ドラムやベーシストはあんなにダメな人しかないのに、プロデューサーはすごいグル―ヴィーなことをやるんですよね。黒人の移民のカルチャーもあるし。今、ダブステップはちょっとチャラい感じになってますけど、それでも第一線ですごくストイックにやっている方もいらっしゃいます。だから、イギリスだったらクラブ音楽の方がすごい影響を受けていて。80年代以降のバンドはおもしろい音楽ではあるけど、ベーシストとして踊れる音楽って消えてしまった感じがします。ごっそりクラブに持っていかれた感じがするんでですよね。イギリスの文化もそうだし、移民の人たちの文化もあるので、最近のものでは刺激が多かったですね。

―ネットの発達によって、ライヴ、パッケージ以外にも音楽の発信の仕方が広がっていると思うんです。BO NINGENの活動はやっぱりライブが軸なのでしょうか?

Taigen:やっぱりそこは止めちゃいけないところだと思います。

―BO NINGENにとって音楽をするという行為はどういう意味を持つのでしょうか? バンドが中に持つものは?

Taigen:個人個人で違うとは思うんですけど、もちろん表現というものもあると思うけど、はけ口や自分のバランスをとったり、さらに自分が変わるところでもある。自分のためでもあるし、表現して見てもらいたい。でも、お客さんがいるものでもあるし。あとは、メディアの力が減って日本の音楽業界がすごくおもしろくなってきていて、おもしろいバンドがメジャーな感じで取り上げられていたりするので、日本でイギリスのバンドとして取り上げてもらっている特権というか、強みがあるからこそ、一緒に壊して行けたらいいなっていうのはあります。

Kohhei:音楽はすごい大きいものなので、表現するっていうよりは、音楽に奉仕したいっていうのがでかい。やっぱり自己表現ていうのばっかやと、音楽は自分よりもでかいものなので。そういう気持ちもありつつ、自己表現もしたいけどね。

Yuki:個人的に、僕は自分を探す感じですね。旅というか。ライフワークでもあるし、死ぬまでやることにだろうし。

Taigen:演奏中はなんだかんだ自分との戦いなんですよね。それが探すっていうことでもあるし、表現になっているのかしれないし、奉仕かもしれない。それは活動していくうえでも、ステージの上でも、それぞれ感じている気持ちが一番強くなると思うので。その濃度というか、気持ちの出し方を出ていければ、少しくらいずれていてもパワーになるというか、お客さんに伝わると思うんですよ。「音楽業界を変えたい」というのは、結果に近いというか原動力ではない。ステージでのことを考えると、奉仕なり、自己探しなり、自分との戦いなんです。

Mo-chan:人に対してとか、自分にとってとかで意味が変わってくると思うんですけど、仮に音楽をやっていないとした時に、すごくストレスが溜まって正常な生活を送れないと思うんですよ。デトックスというか、すごく解毒っぽい感じ。今回、日本に帰ってきてからしばらくは何もしてなかったので、ストレスが溜まるんですよね。何かしたいっていう。ステージでの30分、1時間が普通の生活の24時間よりも濃い時間だし、なくてはならない時間。

Taigen:そういう意味では、ライヴは自分たちのバンドのためにも大事なんです。

■BO NINGEN Japan Tour
日時:2012/01/29(Sun)
会場:Shibuya club asia
開場:16:00(予定)
出演:【Special Guest】BO NINGEN、ギターウルフ、N`夙川BOYS
   【Live】Psysalia psysalis psyche、6EYES、moja、TADZIO and more…
   【DJ】TOMO(STYLE BAND TOKYO)、Taigen Kawabe(BO NINGEN) and more…

BO NINGEN Japna Tour詳細
BO NINGEN Myapace

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Henkan / BO NINGEN / CD ( Music )

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