インターネットを通じて、もはや国境や時差など関係なくありとあらゆる情報が手に入るこの時代に逆境するかのように、自らの存在をネットの海に簡単に投じることを良しとせず、身近なPRツールとしてのTwitterやFacebook、MySpaceなどのアカウントが存在しないバンド、Islet。今でこそオフィシャル・サイトが存在しているようですが、その存在が認知され始めた頃には、有志が集まって作ったファン・サイト的なものしか検索しても出て来なかったのだとか。しかしながら、その音楽的独創性に衝撃を受ける人達の間でじわじわと確実に認知されていき、昨年リリースされたミニ・アルバム『Wimmy』はNMEで高評価を得て、“間違いない”バンドとしての地位を確立したと言えます。それは匿名性にあふれる無責任さの中で曖昧なままに持て囃され消費されていく音楽に、真っ向から反した姿勢に見えませんか?



そんなIsletの、1/11にリリースされたニュー・アルバム『Illuminated People』の全曲ストリーミングが解禁されました! バンド自体が説明の難しいであるなら、そのサウンドもまた、簡単には形容しがたい体を成しています。不穏なノイズとそれを助長するかのような地を這うようなドラム、楽曲が進むに連れて複雑に響き渡るコーラス……。かと思えばステップを踏みながらそのままフラダンスが踊れそうな軽やかなメロディがいきなり流れだしたり、単調なリズムの上に弾むように流れるコミカルなメロディが乗ったり、一筋縄ではいかない楽曲が並ぶので“同じバンドかしら?”と思ってしまうほど。当然そこに人懐こさみたいなものはすぐには見て取れないのですが、一度ハマってしまうと中々後には引けない中毒性も、やはり存在しているのです。その正体不明さと徹底した自己主張の、一見矛盾するようなバンド像に、どんどん引きこまれていってしまうのです。ルールにとらわれることのない彼らの音楽は、確かに“アート”と言ってしまって良いかもしれません。

Illuminated People by shaperecords

全曲ストリーミング解禁に伴って、収録曲である「A Bear On His Own」のミュージック・ビデオも公開スタート! 今作の中でも取り分けポップでキッチュなサウンドでありながら、その裏に見え隠れする凶暴性を見事に演出するかのようなビデオ。スカルの置物と花、マトリョーシカ……。その並びのシュールさと、永遠に続いていくかのような脈絡のない模様(そこには紫キャベツが使用されている!)が色とりどりに広がっていきます。曲の後半のコーラスでは、ともすればみんなで大合唱をしたくなるほどのトランス状態を引き起こしそうです(笑)。

またこちらも収録曲である「This fortune」が現在ストリーミング&フリーDLを実施中! これこそIsletの真骨頂と言えるようなノイジーなサウンドに、メンバーのEmmaの叫んでいるようでありながら荘厳に響く歌声が印象的。とにかく気づいたらクセになってしまっているこの1曲だけでも、この機会にじっくり聴いてみてもらいたいです。

今週末1/28(土)に開催が迫った“RADARS”にて初来日公演予定のIslet。決まったパートがない彼らは、ステージ上では様々な楽器をそれぞれがパート・チェンジしながら演奏を行ない、さらには楽器ではないステージの様々な部分を叩いてリズムを生み出すこともあるのだそう。楽曲同様、型にハマったルールは一切存在せず“Isletというアート”を表出するかのようなライヴは、これは必見ではないでしょうか? まだまだ謎が多いIsletなだけに、この公演はしっかり目撃しておきたいところですね。WITCとしてもとっても気になっております!

イルミネイテッド・ピープル / アイレット / CD ( Music )

よしもとアール・アンド・シー( 2012-01-11 )

定価:¥ 2,365 ( 中古価格 ¥ 380 より )


Islet日本オフィシャル・サイト
Isletオフィシャル・サイト
RADARSオフィシャル・サイト

Text by:フクダショウコ