今回は、Gommaが見出した奇才バンド・Esparanzaをご紹介したいと思います。彼らのセカンド・シングル「Jaipur」に代表される、混在する緊張感と緩やかな気だるさ。“チル・ウェーヴ界に現れたBattles”という言葉だけでは氷山の一角、到底語りつくせない奥深さはとんでもないです。Battlesを地下に眠らせ発酵させたようなサウンドは、聴いた瞬間、「これは…! 今まで知らなかったなんて…!」とひとしきり後悔。「Atlas」の衝撃再びか!?

■「Jaipur」 (Oficial Video)

混沌としたロードムービーのような映像。インドはデリーの西に位置する都市ジャイプルの名をとったこの楽曲は、その名の通り、エキゾチックな香りも漂います。

Gommaと言えば、Mathias ModicaとYonas HaileによるユニットのMunkが運営するドイツのハウス・エレクトロ・レーベル。そんな名門レーベルが次なるアーティストとして昨年夏に目を付けたのが、イタリアのバンドEsperanzaなのです。「誰もマネできないようなファンタジックさ、深い知識と音楽スキル」とGomma絶賛の同バンドは、類い稀な才能を持つスリーピース・バンド。24~29歳ですでに経験豊富な3人は、音楽プロデュース、バンド活動など異なるバッグ・グラウンドでその才能を発揮してきました。

Carloは、すでにCécile名義でGommaからリリースを行っており、Vampire Weekendの「White Sky」RemixはBBCで好評価を獲得するなど、実は売れっ子プロデューサー。同楽曲のRemixは、Vampire Weekendの持つ軽快なベクトルを真逆にしたような変な魅力があります。オリジナルは晴れの日に思わず駆け出したくなるような爽快感に溢れていますが、Remixバージョンは幻影感、浮遊感が半端じゃない。全然すっきりしない。笑 でも、もやがかった世界が心地よいのです。

■Vampire Weekend 「White Sky(Cécile Remix)」

ベースのMatteoは、Disco Driveというディスコ・バンドでLiars、Klaxons、Foalsのオープニングアクトを務めた経験の持ち主。Sergioは、イタリアでIndie Pop Recordsのプロデュースを行っているほか、イギリスのディスコ・バンドHot Gossipとツアーをまわっています。

サイケデリックなエレクトロ色、ドリーミーな空気、ラテン・ミュージックなど非常に多様な音楽を取り入れながら、バンド・サウンドを基軸に持つことで、意外に骨太なゴリッとした印象と現代的チル・アウトな新しいサウンドが生まれています。多様な基盤を持つ3人がぶつかり、チル・アウトな空気に通気口のような刺激の取り入れ口が生じたのでしょうか。すでに各地のアーティストから注目を集めているようで、イギリスではDJ・James Holden、Luke Solomon、フランスではDJ・Laurent Garnier、Cosmo Vitelli、アメリカではTim Love Lee、Lovebirds、DJ・Prince Languageらのサポートを受けているとのこと。この注目度たるや……。

EsperanzaのGommaでの活動は非常に精力的で、昨年7月8日に初EP『Sirena』、11月29日にWallsがリミックスを手がけたシングル『Jaipur incl. Walls Remix (Maxi)』、そして12月2日に待望のデビュー・アルバム『Esperanza』と立て続けにリリースを行っています。

この『Esperanza』がやばいのなんの。1曲目「Wasting Our Time」から、これでもかと言わんばかりに“変態的”なサウンドを展開しています。Banjo Or Freakoutがヴォーカルをとり、Luke Abbott、Broke Oneがリミックスを手掛けた「Sirena」では、怪しげな表情が一変し、アコースティックなギター・サウンドでスタート。ドリーミーで物哀しげな世界が広がります。ちなみに彼ら、ライヴもものすごいと評判。この妖艶なのか無垢なのか、狙っているのか無意識なのか。常に聴く者の意表をつくサウンド、ぜひ体感してほしいです。

Esperanza – Esperanza by Gomma

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Texy by:Mio Yamada