仙台を皮切りに始まったMO’SOME TONEBENDER“阿鼻叫喚ツアー”、その後、名古屋・大阪・福岡と周った同ツアー、11/29(土)東京はLIQUIDROOM ebisuでのファイナル公演に行って参りました。

前の予定が長引いてしまったため、不覚にも遅れての入場だったのですが、入った瞬間に飛び込んできたのはステージと客席で繰り広げられる、まさに“阿鼻叫喚”の図。武井さんの“死に物狂いでリズムを刻め!”というシャウトとそれに応える観客の熱狂の様子から、とんでもなく熱い夜になることがこの時点で決定的となったのは言うまでもありません…。

その「Young Lust」から新曲を挟んでの「Youth」「未来は今」の流れでは、MO’SOME TONEBENDERというバンドの変遷がぎゅと凝縮されたような感覚に陥りました。約10年前に“未来は今”と叫んだ彼らが、今なお“とめどなく溢れ”る感覚で居続けるハングリーさ。だからこそ、モーサムが鳴らす音に、心の中で蓋をして忘れかけていた自分の中の衝動が呼び起こされたのだと思います。

“雨が降っている時に作った曲、良ければ目を閉じて聴いてみて”という百々さんの言葉から「ONE STAR」。湿度の高い穏やかな熱帯雨林のジャングルのように、熱気が一旦クールダウン。オーディエンスとの熱気のぶつかり合いのようなステージを見せたかと思うと、引き潮のように一気にこちらをステージ側に引きこんでしまう。そういう一面もモーサムの魅力のひとつだと思います。

メンバーの演奏一点に集中する客席でしたが、“まだまだ終わらんよ”と新曲の中でも特に危険な「メタルカ」でまたもや大爆発。そして武井さんがライトセーバーを取り出した“合図”でフロアは最高潮に! 初めて観た時こそ驚いて口をあんぐりさせてしまったのは良い思い出ですが(笑)、今や武井さんだけじゃなく藤田さんも加えてのライトセイバー捌きは、モーサムのライヴの名物と言って良いかもしれません。「Lost In The City」のラストのサビで、会場全体が手を左右に振り続ける図は圧巻というか何と言うか…。そこに漂っているのは殺気なのか何なのか…。

そしてそのまま「Bad Summer Day Blues」!!! 個人的にこの日絶対聴きたかった1曲が、しかもこのレイヴ感溢れる流れで繰り出され、我を忘れてしまうほど狂喜してしまいました。その後も「Hammmmer」「BIG-S」とアシッド感強い曲が立て続けてに繰り出され、イントロが流れる度に“うわぁぁぁっ!!”と声を上げずにはいられず、どんどん自分のリミッターが外れていくのがわかりました。

MO’SOME TONEBENDERは、例えば極端なことを言えば、ステージの上からタライが落ちてきて客席が大爆笑する、そういうコントみたいな展開を平気でやってしまうバンドだと思うんです。だけど、それをオチとして終わらせない、ギリギリのところでクールでいられるのが凄まじいところではないでしょうか。恐らくそこを後押しする、説得力を持たせるのは、彼らの持つハングリーさ。狙ってやっているわけではない、10年選手の彼らの未だ満たされることのない探求力とでも言えるかもしれません。だからオーディエンスとしても、その先を見たくなるのかもしれないですね。その果てのない旅に、一生付き合ってやるぜといつも思ってしまうのです。

ラストとの「GREEN & GOLD」の時に、前作がリリースされたのはもう1年前だということに、ふと気がつきました。『STRUGGLE』という名の通り、もがいてもがいてモーサムを一度解体して生み出した作品。でも、アンコールを求める人で溢れたフロア越しにステージを見ながら、今ももがき続けているんだろうなと感じました。アンコールで披露した、期間限定でライヴ・テイクが配信されていた新曲「shining」は、またもや私達の予想を少し裏切るような、キラキラしたモーサムの直球を行くポップ・ソング。この曲が、どのように放たれていくのか、楽しみと不安が混ざった複雑な心境になったのが正直なところです。

まだまだMO’SOME TONEBENDERの先の見えぬ旅は続きそうです。

MO’SOME TONEBENDERオフィシャル・サイト

Text by:フクダショウコ